会長ご挨拶

日本自然災害学会 会長 高橋和雄

このたび、日本自然災害学会の11代目の会長を仰せつかりました。理事・評議員選挙の結果を拝見すると、顔ぶれが若返っている中で、時計の針を逆に回すことになりましたが、学会の活動を停滞させることなく、次世代に引き継ぐ所存です。

当学会は、自然災害の学理を追求し、社会への還元を目指す理学、工学、農学、医学、人文社会学等の専門分野横断型の学会で、まさに総合防災学の拠点といえ、会員に大学関係者が多いのが特徴です。2011年に創立30周年を迎えた自然災害関係の老舗の学会で、年4回発行の学会誌「自然災害科学」と年2回発行の英文電子ジャーナル「Natural Disaster Science」で質の確保された研究成果を公表しています。会員の平均年齢が高いことも本学会の特徴ですが、年に1回開催される学術講演会には、若い世代の研究発表が目立ちます。このような本学会の特徴を踏まえて、中川前会長時代に、大学等をリタイヤされた会員に残っていただくための終身会員の導入、学生会員のための「研究室パック」の新設、学術講演会に「査読付き論文セッション」の新設をしました。引き続き学会誌、ホームページ、メール等できめ細かく情報を発信し、会員サービスの充実に取り組んでいきますので、会員の皆様の積極的な参画を期待しています。

自然災害の特定の分野について、大学関係者に加えて自然災害に係る関係者が集結した学会として地域安全学会、日本災害情報学会および日本災害復興学会が設立されています。これらの学会は特定の課題に迅速に対処する機動的な学会活動をしています。また、土木学会、日本建築学会等の基幹学会にも自然災害関係の委員会があります。当学会は2009年に関連学会に呼びかけて学術講演会の共同開催等の学会連携の検討をし始め、2011年には土木学会地震工学委員会と合同の学術講演会を開催しました。学術講演会の開催地が決まっている中で、共同開催する学会を探すことは困難でその後実現していません。2014年4月に京都大学防災研究所自然災害研究協議会申合せの一部改正により、関西地区部会が近畿、中国、四国の3地区部会に再編成されました。学術講演会を開催してきた地区が6地区から8地区に増えましたので、これを機会に学術講演会の開催地を再検討していきたいと考えています。

東日本大震災後に開始された「日本学術会議土木工学・建築学委員会」と「東日本大震災の総合対応に関する学協会連絡会」主催の学術フォーラムも今年で3年目を迎えます。2014年度は「国連防災世界会議(2015年3月、仙台市 )」、「世界工学会議(2015年11月、京都市)」に先立ち、学術フォーラム「東日本大震災・阪神淡路大震災等の経験を国際的にどう活かすか 」(案)が本年11月29日に日本学術会議で開催される予定です。自然災害に関する中核的学会として、本学会は積極的に情報発信をしていきたいと考えています。

今後とも、日本自然災害学会へご協力とご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

(長崎大学名誉教授・工学研究科産官学連携研究員)

平成26年6月16日